「しあわせに生きるための道具 えほん 日本国憲法」
多くの公立校では、中学3年社会科で公民の授業があります。
日本の社会のしくみを学びます。
『しあわせに生きるための道具 えほん 日本国憲法』絵・文 野村まり子 監修 笹沼弘志 明石書店
この本は、憲法授業のときに、先生から生徒に情報提供してもらえたらいいなと思う1冊です。
「えほん」となっていますが、憲法をわかりやすく解説していて、大人にも読みごたえのある内容です。
やさしいタッチで、具体例をたくさん描いているので、憲法の理念や人権、憲法の歴史など、難しいと思われがちな部分もとてもわかりやすいのです。
13条、14条を表現した<わたしのことはわたしが決める>のページも好きですが、絵本としての最後のページがとくに好きです。
それは、<希望をあきらめない>こと。
ふと考えるのは、大日本帝国憲法下で理不尽な思いをしながらも、自由や民主主義を求めて突き進んでいた人たち。
弾圧を受けても、身近な命を奪われても、それを引き継ぎ生きた人たち。その人たちの思いを、いつも意識していたいこと。
若き日に、私が伊藤ルイズさんとほんの一瞬交わったことは、ここに繋がっていたのかと思うときがあります。
<もう少し知りたい憲法の歴史>のところでその思いはさらに確認されました。
最後のページには「困ったときに相談できるところ」の電話番号も記載されています。
憲法は私たちの身近にあること、この絵本で感じてみませんか?