【しるしる憲法 📚おすすめBook】
五日市憲法 新井勝紘著 岩波新書

「わあ、これって、日本国憲法といっしょだ!」
五日市憲法には、そう思う条文がいくつもあります。

例えば……。
五日市憲法の45条「日本国民は各自の権利自由を達す可し、他より妨害す可らず、其国法之を保障す可し」
これって、日本国憲法の11条「国民はすべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与えられる。」と、同じだと思いませんか

さらに……。
194条では、「国事犯の為に死刑を宣告す可らす又その罪の事実は陪審官之を定む可し」と、今の憲法にはない死刑を禁止する、という条文まであります。

五日市憲法は、国民の権利を憲法がどう守るか、特に三権の中の司法によっていかに守るかを重視した憲法草案です

こんな憲法を、明治時代、1880年ごろに五日市の人びとが考えていたのだ! と驚きます。
でも、1880年ごろ、憲法について考えていたのは五日市の人びとだけではありませんでした。全国各地で200もの私擬憲法と呼ばれるものが作られていたということに、さらに驚かされます。
それは明治維新の後、新しい日本の姿を夢見て、自由民権運動が活発だった時代のことで、日本各地に200を超える民権結社ができ、国会開設の請願運動が起こっていたそうです。

五日市の人びとが活発に話し合い、その中心にいた千葉卓三郎が起草した五日市憲法は、100年の間、だれにも知られることなく、深澤家の土蔵に、ひっそりとしまわれたままでした。
それはなぜか、だれが、どんな経緯で発見したのか……。

本来、憲法を守らなければならない権力を持った人たちが、声高に「改憲」と言う今。
140年前に、国民の権利を保障する憲法を作ろうとしていた人たちと五日市憲法に、あなたも出会ってみませんか

五日市憲法は、まさに、私たちしるしる憲法がだいすきな日本国憲法97条です。
97条
この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は過去幾多の試練に堪え、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。